性感染症(STD)

女性の感染率が年々アップ。その理由は…。

性行為を介してうつる病気の総称が、性感染症(STD)。 「性に対する考え方がオープンになるとともに、性行為の開始年齢も低くなっている。 そうした風潮のもと、ここ数年STDの患者は増える一方です。

なかには症状がほとんど出ないものも。それも急増の一因。クラミジアという病原菌によるSTDはその典型。気づかぬうちに人にうつしてしまい、爆発的な感染拡大の原因になっています。

しかもSTDにかかるのは、男性より女性が圧倒的に多い。

これは、男性の場合、感染しても原因菌やウイルスが尿と一緒に排出されやすいけれど、女性は体内にとどまりやすいという構造を持っているため。

女性の体は膣から子宮、腹腔内まで遮るものがなく、外界とひと続きなのです。 慎重に性感染症対策を。 また、ひとつのSTDにかかると粘膜が弱くなるため、他のSTDにかかりやすくなることもぜひ知っておいてください。

どうやって&どこから感染するの?

性感染症を引き起こすのは、さまざまなウイルスや病原菌。もともと体内にある菌が原因で炎症を起こすケースもあるけれど、ほとんどはセックス時に、粘膜を介して感染する。

性器から性器に感染するだけではありません。 オーラルセックスが一般的になり、最近は喉に異変を感じて来院する人が非常に増えています。

感染源となるのは当然、セックスをした相手。 相手の数が多ければ当然、STDにかかる可能性は高くなる。 ただし特定の相手とだけしていれば絶対かからない、というものでもありません。 現在のパートナーはひとりでも、その相手が過去に付き合った異性の中に、STD患者がいるかもしれない。 可能性は無限にある。誰にでもかかるおそれがあるのが、STDなのです

他人事と思わずしっかり予防することが、これからの常識に。

検査や治療はどのように?

STDの検査は、おりものや血液を採取して行う。1項目につさ数千円で済み、保険適用になる場合も多い。

市販の検診キットを使うという手もありますが、さちんとおりものや血液が採取でさないと意味かない。心配なときは、病院で検査するのが最も確実な方法です。

検査には、カップルで行くことがマスト。片方が治ってももうひとりが治ってなければ、またうつしうつされ、とピンポン感染を招いてしまうからです。感染したらセックスは厳禁。そのうえで、抗ウイルス剤や抗生物質、抗菌剤、外用薬などで治療します。

STDは、辛抱強く治すことが欠かせない。症状がなくなったから、と薬をのむのを勝手にやめたりすると、再発する確率も高い。 診察で完治がわかるまできちんと治療を続けましょう。

防ぐにはどうしたらいい?

コンドームを使うことが、STD感染を防ぐ最善の方法です。分泌液などから感染することもあるため、セックスの最初から最後まできちんと使うことがカギ。 オーラルセックスのときも、面倒がらずに活用することをおすすめします。

コンドームの使用は、互いの意思の疎通がないと難しい。STDとはどんな病気か、防ぐにはどうしたらいいか。 きちんとパートナーとコミュニケーションをとることが欠かせません

その他、膣炎などを避けるためには、清潔な状態でのセックスを心がけることも大切。 肛門などに触れた手で外陰部に触らない、といったことも、STDの予防につながります。

何よりも、STDをうつされる可能性のある、不特定多数の相手とはセックスをしないこと。 信頼できる、特定の相手とだけセックスを。 互いにSTDの検査を受け、陰性であることがわかったうえでなら、さらに安心ですよね。

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代表的な性感染症(STD)

性器ヘルペス

激しい痛みが起こり、性器に水泡が。

●症状 単純ヘルペスウィルスが原因。ロの周りにできるヘルベスはⅠ型で、こちらはⅡ型。 感染すると、数日から1週間ほどで外陰部に水疱がでさ、痛がゆくなる。 激しい痛みが特徴のひとつ。 発熱することもある。水疱の内容物で感染するので、症状が出ているときは性行為は厳禁。

●治療法 水疱内の液体を調べて、陽性かどうかをチェック。 そのうえで抗ウィルス剤を服用したり、軟膏として塗ったりして治療する。 ただし、症状が消えてもウィルス自体は神経節に潜んでいるため、疲れや風邪などで体の免疫力が落ちると、再発することが多い。 一度かかったら油断せず、不安なときはすぐ受ををしてください。出産時に性器にヘルベスができている場合は、母子感染を防ぐため、帝王切開になる。

尖圭コンジローマ

カリフラワー様のイボが大きな特徴。

●症状 原因は、ヒトパピローマウィルス(HPV)と呼ばれるウィルス。 感染すると3週間から数か月で外陰部の周りや肛門付近に、先の尖った白っぽいイポのようなものが現れる。 増えるとカリフラワーのような状態に。 軽いかゆみや痛みが起きることもあります。HPVの中には子宮の入り口にでさるがん・子宮頸がんと関わりが深いものもあることが知られてきている。

●治療法 主におりものでウィルスの有無をチェック。 イボ自体はレーザーなどで焼くという外科処置で取り除く。 プラス、抗ウィルス剤を服用することもある。 再発しやすいのできちんと治すことか大切。 潜伏期間か3週間~3か月と長く、イボが現れるまで時間があるので、その間こ他人に感染させてしまうケースも。 少しでも異変を感じたらすぐ受診を。

淋病

はば無症状。喉に感染することも。

●症状 淋菌という細菌により引き起こされる。 男性側は最初から痛みがあったり尿道から膿のようなものが出たりと、症状が強い。 それに対し女性は性器の不快感や、黄色っぽいおりものが増える程度で、感染に気づかないことも多い。 が、症状が進むと感染か子宮から卵管にまで広がり、発熱や激しい下腹部痛を起こすことも。 尿道炎や膀胱炎を起こすこともあります。 喉に感染して咽頭炎を起こすケースも多い。 また、淋菌は目に感染すると失明する恐れも。

●治療法 主に抗生物質を服用して治療する。 クラミジアと同じく、症状がほとんどないために蔓延が心配されているSTD。 きちんと薬をのみ、根治したと診断されるまで根気よく治療することが大切です。

トリコモナス膣炎

寄生虫が原因。男性側も必ず治療を。

●症状 はっさりとした症状があるので、気づきやすい。 黄色や緑がかったおりものか出る、おりもののにおいが強くなり泡が交じる、外陰部に強いかゆみがある、などが特徴。 トリコモナスという原虫が原因で、ほとんどはセックスによって感染するけれど、まれに不潔な公衆浴場などが感染源となることも。 放っておくと膣の自浄作用が低下し、他の感染症にもかかりやすくなる。

●治療法 おりものをチェックしてトリコモナス膣炎かを診断し、抗原虫剤を1週間ほど服用。 炎症を抑えるために膣の座薬や、軟膏を使うこともある。 男性には症状か出ないことが多く、治療を受けないケースも。 けれど、再感染を繰り返すと膣炎が慢性化してしまうこともある。 ピンポン感染を防ぐために、治療はふたりで受けることがマストです。内服薬で完治できる。

クラミジア感染症

最も多いSTD。定期検珍で予防を!

●症状 最も多い性感染症。 クラミジア・トラコマティスという病原体によって起こる。 1週間程度の潜伏期間の後、白または黄色っぽいおりものか若干増えたり、軽い下腹部痛が起きる。 しかし症状が出ないことも多く、女性の4人に3人は 無症状、男性はもっと症状か出ないといわれます。 それゆえ、20~24歳の女性の15.6人に1人かかかっているという報告も。 知らぬ間に症状が進み、子宮内膣炎や卵管炎を起こすこともある。 卵管が詰まり不妊の原因に。 若い女性ほど注意してほしいです。

●治療法 おりものを調べ、判断する。 治療には抗生物質を使用。 3日から1週間ほど服用する。 何も症状がなくても定期的に検査を。 早めの発見が他のSTDの感染も防ぎ、完治につなかります。

その他

まだまだある、怖い性感染症。

●HIV感染症(エイズ) HlVとは、“ヒト免疫不全ウィルス”の略称。 感染すると数週間後に風耶のような症状が出る他は無症状で、潜伏期間が数か月から10数年と長い。 免疫力が低下し、発症するとカリニ肺炎や結核などさまざまな感染症を併発、2~3年で死に至ることも。

●梅毒 昔の「性病」の代表格。 梅毒トレポネーマという細菌によって起こる。 感染後2~3週間で外陰部にしこりが現れるが、自然に消滅。 数か月後に体全体の発疹など、強い症状が現れる。 早期に治療することで完治が可能。

●カンジダ膣炎 カンジダ・アルビカンスという常在が原因。 体の抵抗力が弱まり膣の自浄作用が落ちたときに菌が活発化し、炎症を起こす。 外陰部の痛みや、白くポロポロしたおりものが特長。抗真菌剤で治療する。 休養を取ることも大切。

●毛ジラミ 外陰部の陰毛に寄生するシラミが原因で、強烈なかゆみが起きるもの。 治療は駆除剤で対処。 他に、ダニが原因となり、全身にかゆみが起こる「疥癬」も、セックスでうつることがある。

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